2021年02月15日
寂しい夜は……【前編】
【注意書き】
シャルル×マリナで、鑑定医の頃。
『降り注ぐ流星を君と』の続きあたりです。
パリのアルディ家で幸せに暮らしているふたりのお話💕
シャルルのパパをまあまあディスってます💧
すみません💦大丈夫な方のみ🙏💧
後編は公開限定記事です!
リビングから人の気配と扉の閉まるか音が聞こえた。
シャルルが帰ってきたんだ。
こんな遅い時間までお仕事だったのかしら。
先にベッドに入ったものの、なんとなく寝付けないでいたから、灯りが漏れるリビングに出てみることにした。
シャルルの顔が見たかったから。
こんなに毎日会っているのに不思議。
今の彼がどんな表情なのか、知りたかったの。
扉を開けると、シャルルはソファの背もたれに体をぐったりと預けて目を瞑っていた。
……とても疲れているみたい。
「シャルル、おかえり、遅かったね」
声をかけても、あたしを横目でチラリと見てすぐに視線を戻す。
「……ただいま。起こしてしまった?」
「うん……もう寝る?」
「いや、少しやることがある」
「そう……それ、時間かかる?」
いつもなら「じゃあ先に寝てるねっ」と言ってすぐに退散するんだけど。
動かないあたしを見て、シャルルは怪訝そう。
「どうしたの?」
「上手く言えないけど……あんたが心配」
シャルルは驚いて目を見開く。
「なぜそう思うの?」
「疲れてそうだから。嫌なことでもあった?」
「……」
シャルルはあたしをじっと見ている。
やっぱり何かあったんだ。
「話したらスッキリする?」
「……話したくない」
「そっか。そんな時は寝るのが一番! やること終わったら早く寝なさいよ。待っててあげるから、一緒に寝よう」
「いいよ、先に寝ていて。時間がかかるから」
再び瞼を閉じて、シャンデリアが輝く天井を仰いでしまう。
今日のシャルルはなかなか頑固ね。
いや、いつもか。
うーん……なんか様子が変なのよね。
こんな暗い表情で、目を合わせようとしないもの。
このまま放っておくなんてできない。
辛いこと、悲しいことは自分の心の中でだけ解決してきたような人だもの。
今でも心が傷だらけなのを知っている。
こうして傍にいられるんだから、少しでも寄り添いたい。
シャルルの隣に座って、逞しい胸に抱きつく。
……よかった。拒絶はされないみたい。
本当に温かくて、大好きで大切なシャルルのいい匂いがするわ。
「あんたをひとりで悲しませたくないわ。ひとりでいるとどんどん悲しみが膨らんでしまいそう。話さなくていいから、傍にいさせて」
「マリナ……」
よかった。
やっときちんと目を合わせてくれたわ。
角度によっては灰色のようにも見えるけど、よく見ると青灰色の、宝石の様に美しい瞳。
やっぱり目を見ないと、ちゃんと気持ちがわからないもの。
しばらくそうして見つめ合っていたけど、小さなため息と共に、「君には敵わない」と言って、あたしを抱きしめ返してくれた。
ホッ……ようやく少し表情が和らいだわ。
「話したくなければ、何も言わなくていいのよ」
「……楽しい話じゃないよ」
「でしょうね……。あんたが話して楽になるなら聞くわ」
シャルルは、つくづく嫌気がさしたという様に深々とため息をつく。
「父の愛人だったという女に迫られた」
あらら……松本由香里と同じパターンね。
「話したくないというより、君にこんなおぞましい話を聞かせるのが嫌だっただけだ。本当に……こんな女ばかり。普段なら気にもしないのに。君と両親の墓参りをした後だったからかな。余計に苛立ってしまったよ」
シャルルの心の中には、いつまでも大好きで美しくて儚い大切なママがいる。
そのママへの想いを汚された様な気持ちになってしまうのかもしれない。
「あんたのママは、あんたの心の中にいつまでも綺麗なままいてくれる。そんなことで決して汚されたりしないわ」
シャルルが弱々しく微笑む。
「そうだね」
「ほら、あれ読んであげる、『幸福な王子』。あたしじゃママの声には似てないけど……」
「いや、いいよ。今夜は先に寝ていてくれ。シャワーを浴びて少し頭を冷やしたい」
これは……心底不快な思いをしたんだろうな。
かなり露骨に迫られたとかかしら。
あたしとも離れたいんだわ。
寂しいけど、仕方がない。
ひとりの時間も必要だものね。
「わかったわ。先に寝てるね。あんたも早く寝なさいよ。おやすみ、シャルル」
そう言って、立ち上がって、寝室へ戻ろうと背を向けたのに。
「待って!」
焦った様に立ち上がったシャルルが、あたしを後ろから抱きしめる。
「……オレに幻滅した? あんな父親の子供で」
唐突な話の流れで驚いてしまう。
「あんたとパパは別の人間よ。パパがどんな人間であっても、あんたに幻滅することなんてあるはずないわ。それに、パパはちゃんとママを愛していた」
背中に感じるシャルルは、心細そうに震えている。
「母だけを愛していてほしかった」
「パパにはパパの想いがあるから、仕方がないわ」
「オレなら、ただひとりの人を愛し続けるのに」
「それ、あたしのこと?」
「他にいるはずない」
それは聞くまでもない真実で。
彼は驚くほど一途にあたしをずっと想っていてくれる。
本人のあたしが不思議なほどに。
「じゃあ、あんたが天国のパパに教えてあげるといいわ。こんな風にひとりの人を想い続ける愛もあるってね」
「ああ……そうだね」
自分の父親の愛人に迫られるなんて、そんな体験を何度もしなくてはならないシャルル。
そりゃあしんどいわよね。
あたしを背中から包む彼を振り返って見上げれば、悲しげに眉を寄せた顔。
こんな悲しげな顔も美しいけど、もう見たくはないわ。
あたしを抱きしめる腕を、慰める様にしばらくさすっていた。
「さあ、温かいお風呂にでも入って、夜食食べてお腹いっぱいにして、やることやってぐっすり寝なさいよ。そうしたら元気が出るわ。お風呂、一緒に入ってあげようか?」
もちろん「いらない」と断られることを前提とした冗談だったのだけれど。
「いいの?」
……そんな、縋るような目で見られては、冗談だったなんていい出せるはずもなく。
「……い、い、いっ、いいわよ」
と、言うしかなく。
あたし、そもそもお風呂自体が面倒だし、着替えの時の心許ない感じも苦手。
そのあたしが、一日に二度も入ることになるなんて!
「本当に、今回だけ、特別の特別なんだからね!」
念押しするあたしを見て、シャルルは「わかってるよ」と微笑んだ。
その見惚れるほど美しい微笑みを見て、これから行われるであろうことを期待して、少しだけ体の奥が疼いてしまった……。
もう〜っ、パリに来てから、あたしの体、本当に変なの!
絶対にシャルルのせいよ!
《後編に続く》
後編は要パスワードの公開限定記事です🙏
まだまったく書けていないので、気長にお待ちください💦
どこまで熱くラブラブさせられるかな〜🥰💕
前編書けました♪
ギリギリバレンタインに間に合わなかった〜💦
でも、チョコレートまったく関係ありません💧
ストーリーも特にありません💧
シャルルとマリナがひたすらラブラブで仲良くしているだけのお話ですよ💕
その割には前編はちょっと暗くてすみません💧
後半はラブラブ♡だから許してください🙏
よくよく振り返ってみたら、ブログの全公開でシャルルとマリナのラブラブなお話を書いたのってお久しぶりすぎて、めちゃくちゃ恥ずかしい……(//∇//)💕
前編なんて、ふたりが話しているだけなのに恥ずかしい\(//∇//)\
私の中では、これでも充分ラブラブな訳で……♡
恥ずかしさの耐性が落ちている💦
マリナを守る騎士(ナイト)の様に、いつも冷静で凛として強いシャルル。
でも、ちょっと弱っている時はマリナちゃんにたくさん甘えて欲しいな💕
後編はたくさん甘えるシャルルですよ💕
恥ずかしさに耐えて、がんばって書きます!
マリナは弱っている人にほど放っておけなくて、寄り添ってあげようとする、とても優しい人ですよね。
マリナちゃん……好きだ……💕
シャルルもマリナを頼っていて、守るつもりが守られているような気がしているのではないかな。
……シャルマリ語り出すと止まらない😂
後編はまだまったく書けていないのです😓
気長にお待ちくださいね💦
2021年02月10日
完売御礼!✨と近況など
皆様、こんにちは😊
こちらは暖かくなったり寒さが厳しくなったりを繰り返す日々が続いております。
こうしてやがて春になっていくんですよね……。
年度の変わり目は仕事も家庭も色々変化があって忙しくなりますよね💧
皆様もお体に気をつけて、お過ごしくださいね。
『答えは君の中に』、今回は30部印刷したのですが、発売から14日で完売致しました!
まさかこんなに早く完売させていただけるなんて……😭✨
同人誌版、デジタル版拘らず、ご購入くださったすべての皆様、本当にありがとうございました!!😭🙏✨
再販予定は今のところありません。
30人くらいの方が欲しいと言ってくださったら刷るかも知れませんが、あり得ないので😅
デジタル版は引き続き頒布中です✨
最近は、『愛よいま、風にかえれ』を再読しました。
自分の記録用として再読記も書きたいのですけど、今ちょっと気力がない💧
字ばっかり書いていて、ちょっと疲れている😂
次回作のためにフーガを読まなくちゃいけないのに、なぜか無性に『愛する君のために』が読みたくなっている✨
あの熱烈なガイの求愛、若かりし頃はドキドキしたなぁ……💕
ガイも大好きなんですよ✨
ひとみ先生の書く男性は、皆素敵だよなぁ……💕
いやいや、そんなことしている暇はないかも💦
フーガは絶対に、隅々まで読まなくてはならないというミッションがある💧
その後は、いよいよ本格的に次回作を書かなければならないのです!
『答えは君の中に』をお読みくださった皆様、本当にありがとうございました😊
次回作も待ってますのお声をたくさんいただき、早速書き始めていますよ!
『答えは君の中に』とは、全く雰囲気が違う感じです。
いつかこういうお話が書きたいと、ずっと願っていたんです。
あまり喋ると自分の首を絞めるという前回の反省があるので、内容はまだ秘密です😂
プロットもほぼできましたし、あとはひたすら書くのみ!
『答えは君の中に』もそうですけど、プロットの段階で、これはいける!✨と思ったので、今回もきっとうまく書ける……はず!😅
わたしの頭の中では、その予定💧
より切なく、でも最後は必ずシャルルとマリナのハッピーエンドを目指して、細々と書いていきたいと思います✨
今回はもう少しのんびり書きたいと思っているので、皆様が忘れた頃に出来上がると思います……😓
話題は変わりまして、年始のご挨拶の記事で、2月は企画物の連載をしようかなと書いたのですが、色々事情があって延期になりまして……。
気になっていた方がもしいらっしゃいましたら、すみません🙏💦
そちらはまた機会があれば、という感じです。
その代わりと言ってはなんですが、2話くらいの短いお話を2月に載せますね!
たぶん、2月に、いけると、思う……😓
3月になったらすみません💧
たった2話でも時間かかる遅筆の私です💧
字ばっかり書いてちょっと疲れているから😂
長編書き途中ですので、こちらは本当にシャルルとマリナがラブラブなだけのライト?なお話です。
後半は限定記事です。
よろしければ読んでやってください!🙏✨
限定記事なんて最近ブログに載せていなかったので、かなり抵抗が……😂💦
いくらパスワードありと言っても、こんなの載せて大丈夫だったっけ?となっていますけど😂
恥ずかしさのあまり、ちょっと軽めになったらすみません🙏
本では思いっきりやりますけどね!💕
今年はこういったお知らせ、近況、雑談など、気軽にブログに書きたいと思っています。
この程度で更新通知がいってしまうのも申し訳ないので、『通知を送らない』という設定もできるのですが……どちらがいいですかね?🤔
あまりにくだらない雑談の時は、さすがに通知を切りたいと思います😓
ではでは、次は短編で更新しますね✨